プログラマブルシミュレーターを用いるってのがプログラミング教育には適するんじゃなかろうかというお話です。

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写経はもちろん、プログラム言語でプログラムを製作して使うことも、小学校の「プログラミング教育」には適さない。

そもそも理科の単元の中に、無理矢理プログラミングを移植するというのがね。木に竹を接いだような指導案になる。移植手術しても拒否反応で患者が死にます。
「電気」の単元は、電気の知識理解・技能・思考判断を習得させるのが目的なわけで、そのために、現物の回路を教材として使う。電気回路はプログラムです。もしやるとしても「回路シミュレーター」のプログラムを与える。これならば実験の技能を補って確実に理論通りの動作をしてくれるから。しかし、回路シミュレーターのプログラムを児童が入力したり製作したりするのは違うのである。

理科の学習指導要領の内容からは逸脱するが、電気を効率的に利用するための「炊飯シミュレーター」で仮想炊飯器をプログラムするというのは考えられる。家庭科で例示されてるあれじゃない。加熱装置、米・水の計量・投入装置、温度・重量・水量のセンサー、これらを備えた炊飯器を制御して、自動炊飯するプログラムを作る。現実の炊飯器はマシン語マイコンが制御しているが、仮想炊飯器では高級言語を用意する。お前が作れとコメントされそうであるが、さすがに炊飯器は勘弁してほしい。
児童の身近でプログラミングが使われているのが学校のチャイム。昔はテンキーでパターンプログラムを入力した。テンキータッチタイプ職人w。今はパソコンで「1日のパターン」を組んで、月日・曜日でどのパターンを使うかをプログラミングしてる。

社会科になるが、3年か4年で「警察」の仕事を学ぶ。県警本部を見学すると、交通管制センターを見学するだろう。信号の制御やってるんだよね。信号機の側にボックスがあって、その中には制御してるコンピュータが入っている。青・黄・赤の時間制御は制御プログラム(マシン語)に動作プログラム(データ列)を与えて動作している。動作パターンを作るというのはプログラミング的思考の学習になるであろう。

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青・黄・赤、歩行者用の青・赤のLEDをOUT端子に接続して点灯・消灯。
バーコードの制御コマンドを並べてプログラミングする。
制御プログラムは「あってはならない」組み合わせでも動作する。歩行者用信号が青なのに、交差する信号を青にできる。プログラミング的思考大事。できないと一大事。

信号機を画面上に表示するならスクラッチでブロック定義すれば作れるな、これ。

 

追加しましま。

「基本プログラムを渡してしまい,そこからいろいろ改造するのがよい」というブクマがあるのだが、小学校でのプログラミング教育は、既存のプログラミング言語・プログラミングの知識理解・技能は扱わないのある。あくまでも「プログラミング的思考」を習得させることと、「プログラミングに関する関心意欲態度」の育成が目的なんだな。

 

 

プログラミング教育の手引きが改訂されました。

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いまさら改訂について言及してみるテスト
これ、Facebook の プログラミング教育関連のグループでも話題になっていたやつ。
一般的な「プログラミング教育」と小学校で必須化されて、既存の教科・単元の中で行う「プログラミング教育」をきちんと分けて考えないといろいろとおかしなことになるんですよね。

第二版になって大きく変わった点、「プログラムを作成する活動」が公式にやってよいことになりました。第一版だとね、プログラミング言語の知識理解や実際の製作に必要な技能は「教えない」だから、プログラミング言語でプログラムのコードを書くことは「やってはいけない」 「プログラミング的思考」とかいうトンデモ概念が出てきて、それは「論理的な思考」とはなにが違うんだい?ということに。電子機器を購入できない、みんなビンボが悪いんや!的自治体に忖度して、アンプラグドな実践が花盛りでありましたとさ。

 

第二版で追加された事例というか、スクラッチで書かれたプログラム。プログラムを使って学習するから「プログラミング教育」ってわけじゃないんですねぇ。スクラッチのソースを見ると、見えにくいところに、定義されたブロックが隠れています。引数に応じて動作をするブロックで、これをつないでいくと、都道府県を絞り込む「プログラム」とか、炊飯器の動作をシミュレートした「プログラム」を作ることができる。スクラッチのプログラムではなく、スクラッチの上で専用プログラミング言語を作ってるわけ。ここんところ……たぶん学校の先生にも文部科学省のお役人にも理解できないと思う。

都道府県クイズは条件ブロック接続していくと表示される都道府県が絞り込まれていくということでなんとなくプログラミング?この絞り込み用ブロックのできが悪すぎて使いにくいったらありゃしない。絞り込みブロックの定義をしてブロック自体を作っていくんならプログラミング教育として成立するんだろうけど。スクラッチでコードを書くのは難しすぎなので、条件設定に特化したプログラミング言語をスクラッチで書くべき。
接続炊飯器シミュレーターは、米の重量を量るセンサー・自動給水洗米装置・タイマー・温度センサー・火力調整機能をコントロールする「プログラム」を書くシミュレーターにすりゃよかったのにねぇ。実物の炊飯器でプログラム書いてご飯炊くとバグったら食えないし最悪火災が発生しますからねぇ。
まぁ、こんなことを書くと「文句があるなら自分で作れ」とか言われちゃいますからねぇ。ここは悪いインターネッツですね(棒)

なんかそれっぽい、カードプログラミング言語作成プログラムをプログラミング言語(IchigoJamBASIC)で製作中であります。BASICはマシン語でプログラミングされているから、プログラミングのマトリョーシカや。

 追記

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ブックマークに、「都道府県のクイズを作る」・「炊飯器のシーケンス制御」というコメントがあるのだが。
クイズを作るのは、スクラッチでブロックを定義することになる。学習用ドリルをプログラミングすることになるわけで、小学校のプログラミング教育の目的からはオーバースペックすぎ。
炊飯器シミュレーターはシーケンス制御のプログラミングはしてない。仮想炊飯器の制御プログラムをスクラッチで作りますとやると、これ「家庭科」じゃなくて中高の技術科か情報でやる内容になる。

実際に実践例があった。

https://www.tsukuba.ed.jp/~programming/?p=136

www.youtube.com

学習した内容を確かめるクイズをプログラミングする。スクラッチ言語に習熟してないとこれには手が出せない。

φ(..)メモメモ

必須化される「ブログラミング教育」って、
既存の教科の既存の単元の中で
プログラム作成を使った学習をやるんだよな。
コードを作成・入力・動作させるのは……やらない。
コンピュータでプログラムを動作させる……とは限らない。
文字入力は難しいからやらせない。
プログラミング言語の知識理解はやらない。
「ブログラミング的思考」とやらを習得させるのが目的です。
お金があればタブレットでスクラッチを使います。
なんかスクラッチ作った炊飯器シミュレーターをプログラミングします。
お金がなくてタブレット買えません。アンプラグドな実践が盛んです。
みんなビンボが悪いんや。

 

プログラミング教育での「主導権あらそい」とは?

 IchigoJam-FANで返信するのはちょっと長いんでここに記す。

小学校で必須化される「プログラミング教育」での「主導権あらそい」とは?

どんな機器を使うのかってことなわけだが。
IchigoJam・PC・MaciPad・Andoroid・RaspberryPi・MicroBitなどなど、emBot アーテックロボ レゴマインドストームとかの教材もある。レイヤーが違うよね。
Raspberry Pi(RasPi)は、ラズベリーパイ財団が英国で開発した、ARMプロセッサ搭載のシングルボードコンピュータ学校で基本的なコンピュータ科学の教育を促進することを意図しており、つまりPCの代替。OSはLinuxなど。
Micro:bitは、英国の11歳と12歳の小学生全員に配布される低消費電力、低コストのシングルボードコンピュータ。プログラミングはPC等で行いMicro:bitに転送して実行。

これに対してIchgoJamはというと。IchigoJam(イチゴジャム)は低消費電力、低コストのシングルボードコンピュータ・開発プラットフォーム。CPU - NXP LPC1114 ARM Cortex-M0搭載 32-bitマイコン 48MHz IchigoJam BASICが入っている。
性能も違うが、そもそも使用目的が異なる。
プログラミング教育に向けて販売されているロボット教材は、スクラッチのようなビジュアルでプログラムを作るものが多い。
何を教えるのか と 何で教えるのか の違いなわけだ。IchigoJam BASICは、RaspberryPiでも動いてる。

IchigoJamはCPUが非力。もともとは組み込み制御用のマイコンかな?BASICの性能というか、プログラムの容量が前世紀のパソコンよりも少ない。実用的なプログラムを組むには少なすぎる。プログラミングの方法を学習するには十分なわけだが。


文部科学省が出してるプログラミング教育に関する手引きには、プログラミング教育の目的は、プログラム言語の知識やプログラム作成の技能の習得ではなくて、プログラミング的思考の習得が目的というように書いてあるわけで。
IchigoJamは、いろいろ接続して制御するのは容易なのだが。プログラミングの容易さという点に置いて、RapberryPiやMicroBitには及ばない。キーボードからBASICのソースを入力するという「作業」がハードルになる。PCでプログラムを書いて、BASICあるいは他の言語でプログラミングして、変換してIchigoJamに転送するという方法はあるかもしれない。

IchigoJamの立ち位置は、文部科学省がやろうとしている小学校におけるプログラミング教育の教材ではないと思う。プログラムを作成するための基本的な知識と操作方法を学ぶにはよいのだが。IchigoJamBASICの仕様は昔のBASICよりもさらに低級言語・マシン語に近いんだよね。

 

デジタル教科書は、教科書なのか 副教材なのか

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昔々、こういう取り決めがありまして

news.nicovideo.jpお役所というのかかくの如し。

 

デジタル教科書は、教科書のように無償供与されるものではないので、市販のドリルや問題集と同じく副教材である。そして、使用を教育委員会に届け出れば問題ないでしょ。

道徳の授業を検定済み教科書を教材としてやらせたいという意図が見えます。あと歴史かな?紙ではなくデジタル教科書を使っての授業は授業時数の半分までという謎の制限。教科用図書代替教材とはなんでしょうか?教育課程を編成するのに、検定済みの教科書を用いることが必須ということですね。黒板を用いたら教科用図書代替教材なので黒板の使用は授業時数の二分の一に制限するのでしょうか。デジタル教科書の内容は、検定済み教科書の内容の内容を完全に内包していますから、残念。デジタル教科書ですと自主教材作成の難易度が紙に比べてぐーーーんと高いので政府与党におかれましてはデジタル教科書の利用を推奨すべきでしょう。

 

大丈夫なんだろうか?

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英語「話すこと」調査は、採点の妥当性・信頼性や、学校の関与の在り方、技術開発の可能性や人的・時間的コストなどの条件も踏まえて、音声録音による調査を実施
つまり、各校において先生が採点するのは信頼性、人的・時間的コストに問題がある。これはその通りだ。音声録音した音声データを文科省で集めて、採点するわけですね?
技術開発はできたの?

正答はいつもひとつ!ではありませんよね。さまざまな表現を許容するんですよね?音声ファイルを認識して採点する。テキストファイルを採点するのとは技術開発に天地の差がありますよねぇ。ネイティブでも得点が取れないような試験ができやしませんか?

音声認識やらAIやらディープラーニング やら開発した技術の検証には最適でしょうねぇ。

これ、中学校の教員にやらせるんだよねぇ。

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現場一校一校に専門のオペレーター派遣すべき案件なんじゃね?教職員にそんな技能ありませんって。ハードウエアも統一されとらんし。趣味の世界じゃないんだぞ~

全国学力・学習状況調査」にも使いやすい環境復元ソフト
各学校のコンピュータ室などのPC端末、配布するUSBヘッドセットおよびUSBメモリを活用し、音声録音方式により一学級同時に行われる。


USBヘッドセットが配布されるってのが救いだねぇ。ヘッドセットのヘッドホン・マイクのプラグを逆に挿す・どこに挿していいかわからん・差し込み不良などなど、生徒にやらせたら教室がパニック状態になる。ヘッドセット自体にボリュームがあって、ミキサーの設定とメインの音量・録音の設定と……地獄だな。専用ソフトでインストールしたら設定不要でつかえるんやろうね?USBメモリのドライブ名とか大丈夫なんやろか。

同社の「Virtual Recoveryver.2」を使用した運用の場合、マスターPCに調査プログラムをダウンロードし、「簡単更新ボタン」で全台に自動で適用できる。また、試験終了後はロールバックでプログラムをインストール前に全台一括で戻すことができるという。

 えーっと、インストールとロールバックするプログラムって、SkyMenuとかで既に入ってるでしょ。同様のソフトウエアをインストールしてバッティングするぞこれ。生徒機に保存された音声ファイルがごっそりロールバックで消えますし、これを切らないとインストールできませんがな。メンテナンス担当の業者しかパスワード知らんぞ。保守契約に入ってるのかこれ。

生徒機のローカルに保存された音声ファイルを、せっせとUSBメモリにコピーするんじゃなくて、生徒機からサーバー機にコピーして、サーバー機にUSBメモリをぶっさして音声データをコピーできるのね。ソフトのインストールとかUSBメモリを挿すとか市町村で制定してるのセキュリティの規定に反したりするんじゃないですかねぇ。サーバー機を現場の教職員が触っていいのかい。

 

「情報化に関する調査」って、しばらくして NHKのニュースに出るあれな。
前年の入力データを残しといて利用するんだけど、調査項目が毎年少しずつ変わる。新しく備品購入しなけりゃ基本変わらないわけだから。
Webで入力するやつ、合計も手入力するんだよね。で「合計があっていませんエラー」が返ってくるという素晴らしい使用です。なので有志作成の「エクセルのワークシート」が出回ってますな。つじつまが合えばよろしいわけで。備品なんだから教育委員会が一括して把握してるんじゃないのかね。

とか書いてみるテスト